2010年11月28日日曜日

家庭医療セミナー in 沖縄

11月27日、沖縄で家庭医療セミナーを行いました。
僕はまだ一年目であるにも関わらず、セミナーの講師として無謀にも挑戦してみました。
しかもテーマは「家庭医療とは?」


そして、開催場所は僕の初期研修病院でもある中頭病院(実際には隣の建物であるちばなクリニック)でした。僕のこの申し出に間髪いれず快く引き受けて頂きました仲田清剛院長先生、下地勉副院長先生、新里敬研修委員長先生、そしてポスター作りから宣伝、会場設営までして頂きました臨床研修センターの方々に感謝致します。ありがとうございました。

さて、そのセミナーの参加者ですが、ほとんどが中頭病院の研修医でその他スタッフの先生数人、看護師数人、学生2人、そして沖縄でプライマリ・ケア研究会を行っていらっしゃる稲福全三先生もいらして頂きました。 

やってみた感想ですが、まずスライド作りの過程で自分が考えている事をスムーズに伝える事の難しさを痛感させられました。自分がこう思ってても人には違うように伝わる、日頃の診療でも感じますが、コミュニケーションは奥が深いですね。
悩んだ甲斐もあってか、ワークショップ2つを通して僕が現時点で伝えられる内容を伝えることはできたのではないかと思います。
ただ、セミナーでの苦難はその質問コーナーにありました。
質問して頂いた内容は(とてもありがたい事に)その概念に留まらず、「具体的に家庭医療を広めていくためにどのような方法があるか」、「専門医思考 を持つ患者が多い中でその患者さんたちをどうやって家庭医療科へ移行していくのか」、「今のシステムで世界一の長寿国である日本で家庭医療が本当に必要な のか」、「 今実際に地域の診療所で継続性、家族志向、何でも診るなどプライマリケアの概念を満たしている医師と家庭医療プログラムで研修を受けた医師で何が異なるのか」などというさらに具体的で深い内容でした。僕の言葉で何とか絞り出して答えてはみたものの、抽象的というか、的を得た返答ができず、 とても答えられたとは言えない返答でした。
その状況に肩を落としつつ、しかし逆に僕の勉強すべき所や今後沖縄で家庭医療をやろうとしている僕にとって必要な事が少し見えてきた気がしたことや、沖縄の若手にも家庭医療に興味を持つ人達がいることを知ったという意味では、とても有意義なセミナーとなりました。
討論中、同行して頂いた後期研修医の先生には積極的にフォローして頂き、また葛西教授にも最後にフォローと共に僕の1年目としての立場を含め気使いのお言葉まで頂き、とても救われた気持ちでした。同行して頂いた先生方には本当に感謝、感謝です。
また、教授は不安も大きかったと思いますが、このような機会を与えて頂いた事にも感謝です。

次回も開催できるよう、精進して参ります!

また、せっかくなので少し観光もして来ました。
かなりの弾丸ツアーでしたが、僕の案内で同行した後期研修医の先生2人はある程度満足して頂けたようで、何よりです。ただ、こちらはあくまでも「ついで」ですので、悪しからず(笑)

2010年11月6日土曜日

英国・オランダ視察隊


毎年後期研修医1年生は、葛西先生の計らいで海外研修の機会を与えられます。そこで、今年は106日から13日までの8日間、イギリスとオランダに行って来たので報告したいと思います。(内容は1023日のFaMReFでもお話したものです。)
イギリスでは、リーズという町で後期研修医として頑張っている澤憲明先生のいるクリニックを訪れました。イギリスの伝統的な街並みを眺めながら診療所へ到着、そこは一見しては診療所とは思えない佇まいで、地域に溶け込んだ町の診療所という感じでした。建物の中も清潔感に溢れており、待合室も居心地の良さそうな空間でした。
診療所の医師はGPGeneral Practitioner)が8人、後期研修医が2人、初期研修医が1人という構成でした。
外来診療に関してまず感じたのは、患者さんと医師の双方がとてもリラックスしているということでした。そして大きな違いとして、日本に比べ医師が患者さんをしっかり見て話し、病歴や患者さんの気持ちを聴くことに十分時間を費やすことで、家庭医としての能力を存分に発揮できていると感じました。日本ではどうしても時間に追われカルテを見ながらの問診となり、5分診療もよくある話です。
家庭医は検査も必要なもの以外やりません(本来は当然なのですが・・・)。そもそも、診療所には尿検査キットと心電図、一般採血程度しかできず、それ以外の検査をする場合は病院へ行って頂くしかありません。それでも殆どの問題に対応可能とのことです。しかし、日本では逆にそれができてしまうために検査が増えるのかもしれません。また、外来で十分な問診ができるのは、一人15分程度を十分にかけられるという点にもあります。それは、医療がより効率化することで可能となっていると説明して頂きました。医師の能力を最大限に活かすために、看護師や事務など他の医療従事者に任せるシステムの充実に関心させられました。具体的には看護師が生活習慣病の食事・運動指導をしたり、事務が書類に関する雑用を肩代わりします。当然、医師の確認は行われます。事務員さんの多さにも驚きました。
空いた時間には、澤先生と日本の医療の将来について熱く語り合いました。政治も絡めた話にまで発展し、なかなか刺激的でとても楽しかったです。また、英国の後期研修制度に関しても多々学ぶこともありましたが、来月20日のFaMReFにその澤先生が来日するので、そこで詳しく学んで欲しいと思います。自分の学習に対してきちんとフィードバックしてくれる、大変ですが魅力的な内容でした。
見学終了後は、Clive先生とJane先生にタイ料理(イギリス料理でなく、、)を御馳走になりました。僕のたどたどしい英語にゆっくり丁寧に合わせて頂き、とても感謝感激でした。

 その後ロンドンでの観光を終え、次はユーロスターでオランダへ・・・

という所で、次回の報告をお楽しみに!!

2010年10月31日日曜日



福島の山頂には雪が積もったというのに、いまさらながらのサマー・フォーラム@三春の投稿です。
H先生から原稿を2~3か月ぐらい前にあずかっていながら・・・
本当にすみません・・・

以下、H先生の原稿です。
もう、玄侑宗久さんの映画も公開されてしまいました・・・

どうも。haya@町立三春病院です。

猛暑もやや落ち着きつつあり、クーラーを付けなくても何とか眠れるようになってきた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?(もう大分過ぎてしまいましたが、、、)早速ですが、7月24-25日に行われたサマーフォーラム2010@三春の報告をしたいと思います。

24日(1日目)は毎月恒例のReflexion of the month(田渕先生)に引き続き、三春町在住・福聚寺住職であり芥川賞作家である玄侑宗久さん(!)に「到るところ青山あり」と題した特別講演を頂きました。人生の最期を過ごせる場が少なくなっている、CareとCureの視点から見た終末期医療の有り方についての話を聞き、今後の家庭医としての理想像について考えるきっかけとなりました。

特別講演後は、“三春の郷田園生活館”へ移動し、美味しいお酒を飲みつつ郷土料理に舌鼓!くじ引き大会では、玄侑さんの著書(サイン入り!)が景品となり、一同大盛り上がりでした。僕も一冊頂きました。「阿修羅」仕事が忙しくまだ目を通していませんが。家宝にします(笑 

25日目(2日目)は、Reflexion of the month(望月先生)を行い、その後、星総合病院耳鼻咽喉科診療部長の鶴岡美果先生に「嚥下障害(耳鼻科医・言語療法士と家庭医のより良い連携に向けて)」と題した教育講演を頂きました。家庭医として診療を行っていると、どうしても「嚥下」の問題を避けて通ることは出来ず、今後の耳鼻科との連携や、予防的ケアの質が向上できそうな内容でした。アクティブな病勢にあっても、全身状態(栄養状態)を低下させない(向上させる)ことの重要性を説かれたことが、非常に印象的でした。

 そんな2日間でした。遠くに離れていて、週に2回テレビ会議で顔を合わせているとは言え、直接会って話が出来る機会はとても貴重だなーと思いました。(個人的には(久しぶりにやった)司会が大変でした。えらい緊張しました。心臓に悪い笑 )

 最後に宣伝。「アブラクサスの祭」という玄侑宗久さんの著作が映画になって10月に公開されます!
(http://www.aburakusasu.com/index.html)スネオヘアーさんと、ともさかりえさんの共演で(色んな意味で)話題になっている映画。坊さんになることを運命付けられた禅寺の息子が、モラトリアムでライブをやるという素っ頓狂なストーリーですが、何だか面白そうです。こちらもぜひぜひ。

 長くなりましてすいません。ではまた。

2010年10月29日金曜日

2010年10月23日のFaMReFとその後・・・

7~9月の3ヶ月(三春、只見、いわき の計3回開催)に及んだFamily Medicine Resident Forum(略称:FaMReF)の特番「家庭医療レジデント・フォーラムin福島」も盛会のうちに無事終了し、今月から通常運転に戻った当講座の月1回定例のフォーラムFaMReFが郡山のランドマークタワー「ビッグアイ」にて開催され、熱い議論が展開されました。

今回は、ゲスト講師としてお招きした、三重大学大学院医学系研究科環境社会医学講座家庭医療学の竹村 洋典 教授をはじめ、今回はゲスト参加が多く、中でも関東から熱心な医学生(5年生)の参加もあり、終始にぎやかな雰囲気でフォーラムが進みました。

後期研修医が診療上の振り返りをもとにプレゼンテーションを行うReflection of the monthの1題目は「乳腺炎と母乳育児」と題し、後期研修3年目の五十嵐博先生が、家庭医らしく自身の家族のケアから得られた経験をもとに、乳腺炎・母乳育児に関する基礎知識が提示し、その中で、参加者間で母乳育児のメリットを共有し、母乳育児のサポートシステム確立にむけて家庭医の役割について議論がなされました。

Reflection of the monthの2題目は「Conflict」と題し後期研修4年目の高栁宏史先生が、親しい患者のケアの中で生じる家庭医としての葛藤について提示してくれました。それを通して家庭医の役割について再確認する議論がなされました。

さて、続いて今回のメインイベントに移り、「行動科学の世界を旅する」-人々の行動、医師の行動がいかに健康に影響するか-と題して、竹村 洋典 先生が我々を楽しい旅に連れて行ってくださいました。患者中心性および患者満足度と健康アウトカムについての関連について、慎重な検討・考察と今後の診療上の戦略について議論がなされました。講演の中で、かなり衝撃的な研究結果が示され、その後の懇親夕食会でも白熱した議論の的となりましたが、その内容は内緒です。知りたい方は、ぜひFaMReFはじめ当講座の各種イベントにいらしてくださいね。

続いて家庭医療先進地(オランダ・イギリス)視察報告が、高澤奈緒美 助手、清水健伸(後期研修医1年目)、山入端浩之(後期研修医1年目)から提示されました。データ管理の電子化や医療情報提供サービスに代表される診療をサポートするシステムを有する家庭医療先進地の視察報告がなされました。

さて、議論が白熱すると時間がなくなるもので、恒例の葛西教授によるCinemeducationは時間切れにより中止になってしまいました。次回のお楽しみということで・・・

FaMReFに参加してくれた学生さんは、何と熱心なことに休暇を利用して引き続き当講座の家庭医療後期研修教育およびホームステイ型医学教育プログラムの拠点である“いわき地区”にホームステイと見学実習に来てくれました。
大学病院では学ぶことのできない地域医療を、若い感性で熱心に吸収し学んでくれてとても嬉しかったです。
それと、うちの家族(特に子供ら)を激しくかまってくれてありがとう!
とても助かりました。
週末は周辺の観光!
長い海岸線を持つ“いわき”なのに、なぜか「海よりも山川の方が癒されるんです」という彼女の一言で行った先は夏井川渓谷「背戸峨廊」と巨大鍾乳洞の「あぶくま洞」でした。
日頃、足腰を鍛えてないと、こんな時に心地よい全身痛が数日後に襲ってくるものです・・・(笑)

2010年10月22日金曜日

福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座の説明会

ちょっと宣伝!
福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座の臨床研修・教育活動「福島モデル」についての説明会が県内各地で予定されています。
興味のある方は、(あまり興味なくても)
comfam@fmu.ac.jp
までアクセスしてみてください。

チラシ

http://www.fmu.ac.jp/home/comfam/documents/2010ikyokusetsumei.pdf