先日9月20日、9月21日にいわき市内にある 「かしま病院」で
http://www.kashima.jp/
2008年度最後のサマーフォーラムを開催しました。
http://www.fmu.ac.jp/home/comfam/10_summer_f.html
今回は2名の海外からのゲストを招いての開催でした。
お一人はJoshua L. Jacobs 先生 (ハワイ大学医学部 医学教育室 医療情報部門 准教授 / 財団法人 聖ルカ・ライフサイエンス研究所 臨床実践研究推進センター 客員研究員)
前回もサマーフォーラムに参加していただいた先生です。
もう一人はPatrick Hutt 先生 (英国家庭医療学会専門医) イギリスの家庭医のトレーニングを終えたばかりの若手の先生です。Patrickはある家庭医の自伝をすでに本として執筆しており、これからの英国での家庭医として有望な先生です。
こちらが著書になります
http://www.amazon.co.uk/Confronting-Ill-Society-Practice-Idealism/dp/1857759109/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1222562775&sr=1-1
今回は、同じ大学出身で、前英国家庭医療学会会長であるロジャーネイバー先生の紹介もあって、こちら福島での取り組みを見学に来られていたのです。
やはり、海外からの先生とディスカッションをするというのはかなり勉強の意欲を掻き立てられますね。 Joshua先生は僕自身の研究の内容にも非常に興味を持ってくれていて、今回のレクチャーの中でも話をしていただけたので本当にありがたかったです。
今回のサマーフォーラムは第1回目、第2回目と比較して多くの外部参加者が参加していただけました。日本全国から初期研修中の先生、初期研修を終え現在家庭医療について勉強中の先生が集まっていただいており非常ににぎやかなフォーラムでしたね。
また、かしま病院の看護師さんや、いわき市で葛西先生が開いている実践家庭医塾に参加していただいているいわき市で開業されている先生方も参加していただいたので、今年度で最もにぎやかな会となったのではないでしょうか。
9月20日
初日は、葛西先生の「ようこそ家庭医療へ」の家庭医療に関する導入レクチャーから始まりました。
僕らはその時間を利用して、ここの研修はどうか、研修以外での悩みはないかなどレジデント同士で相談しあうメンターの時間として過ごしました。まだまだどのような形式でメンタリングを行うかはっきり決めていないので試行錯誤なのですが、そういう他のレジデントと自分の研修を振り返る時間があるというだけでも良い気もします。
今回は参加するレジデントが6名だったのでスモールグループ形式で行いました。本来はそんなやり方はないのかもしれませんが、自分たちでそれでやってみようと話して決めたので、これでいいのです。ははは。
一人一人の研修についての悩みを聞き、どうしていくかみんなで考えてという時間でした。30分程の時間でしたが、足りないという印象でしたね。
次に今月のcase of the monthとして 現在県立会津総合病院で研修中の武田先生から小児の急性跛行についてプレゼンテーションなんと、2人の海外ゲストのために英語を主体とした発表でした。内容もケースの発表だけでなく、急性跛行を呈する病態についても調べられており、整形外科での診察、さまざまな鑑別疾患と鑑別点と非常に盛りだくさんの内容で勉強になりました。
次に、Joshua L. Jacobs 先生より臨床研究について、ハワイ大学で臨床研究についてレクチャーしているような内容について今回もレクチャーしていただけました。
僕が得たものとしてあげたいのは、やはり漠然と臨床研究やりたい、臨床研究やりたいといってもできるものではなく。自分自身になんの研究をやりたいのかという点がもっとも重要なんだなと。
今回のレクチャーの中で、自分自身のresearch questionに問いかける質問がいくつもありました。参加されている先生方も自身のresearch questionについて問いかけていたと思うのですが、問いかけることで、どんな研究をするか、どんな研究が必要とされているかが明確になった気がします。
僕自身の研究内容に関しても今回のレクチャーを聴いて、さらにモチベーションがあげられたなあと思いました。
最後は葛西先生によるシネメディケーション
内容は人種差別に類する事だったのですが、またまた考えさせられる内容でした。
映画はフリーダム・ライターズ(2007 米)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA
グループディスカッションの後、それぞれのグループ毎に発表。
厳粛で暗い雰囲気になりそうなんですが、実はこのとき時間が押していることもありディスカッション中にかしま病院で用意していただけた「お酒」と「食べ物」が搬入!
大混乱の中、祝杯をあげ、正直グループごとの発表はあまり聞き取れていません。
それよりも葛西先生とPatrickがブドウ狩りでとってきた巨峰やアップル~~っていう品種のブドウがすごくおいしくて、お酒にカニチャーハンにブドウにとそちらに舌戦を繰り広げてしまいました。
舌戦を無事に終えた勝利者たちはバスで宿泊予定地のスパリゾートハワイアンズへ移動。
http://www.hawaiians.co.jp/
んんん?? Joshua先生は一家で参加なんですが・・・・・ハワイ出身なんだけどね・・・・・
みんなでフラダンスを鑑賞。
アルコールで血中アルコール濃度が0.05%を超えほろ酔い期を迎えたのか、葛西先生、石井先生、増山先生は壇上へあがりフラダンスを披露。
映画「フラガール」をみて感動していただけに、そのフラダンスは・・・・・
http://www.hula-girl.jp/index2.html
なにはともあれ、夜は長く深いものです。
その後もまたゲストの先生方とレジデントと交流を深めていったのは疑いようもありません。
9月21日
翌日、朝食を済ませたのちに再度 かしま病院へ
午前中いっぱいを使って、菅家先生から保原クリニックで経験した認知症の患者さんのケースについて家庭医としてどのようにかかわっていけるか石井先生、田中先生のレクチャーをもとに考えてみました。 「家庭医の仕事に迫る!」
認知症というのはその患者さんの認知症だけのマネージメントでは不十分であり、そこに家族や地域社会の支えが必要になってきます。
今回のケースでは、まず協力が得られそうな家族がいない場合です。
しかし、近所の方が少なからずサポートしてくださったおかげでクリニックを受診することになったという状況でした。このような状況ですと、一筋縄ではいきませんし、その時にどのような対応をするかなど非常に考えさせられるケースだったと思いました。
最後にPatrick Hutt先生から、イギリスの家庭医療について講演をしていただきました。
僕が印象に残ったことは
世界でも非常に家庭医療がシステムとしても医師の診療としても進んでいるイギリスにあっても家庭医と専門医とがその専門性について議論をしているということです。それも200年に近い議論ということが驚きました。しかし、逆にいえば、それだけ議論されることで逆に家庭医としての専門性が高められるのではないかなと思ったのです。専門医からの目、そして家庭医からの目が家庭医療の専門性について常に疑問を持っている事で常に先んじて前進しているような気もするのです。そのような状況こそが、世界の中でも家庭医療が進んでいるといわれるゆえんではないでしょうか。
今年度最後のサマーフォーラムもまた多数のゲストを迎え、大いに盛り上がりました。
また来年度も活発な会にしていきたいと思います。
最後に、会場、食事の用意をしていただいた かしま病院の方々
会計や受付をしていただいた 家庭医療部の秘書の方
ありがとうございました。
参加していただいたゲストの方々、お疲れ様でした。これからも楽しく勉強していきましょう!
2008年9月28日日曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿