2010年11月29日月曜日

Hawaii~


ちょっと僕にもいわせてください!


去る10月31日~11月6日にかけて、ハワイで家庭医療をみてきました。


これは東北高度医療人キャリアパスシステム 海外研修という制度を通して行きました。

東北の研修医を対象にし、国際交流と広い視野をもつ・英語でのコミュニケーション能力改善を目的としています。


葛西先生がコーディネーターでもあります。


今回の研修では、日本人でハワイの家庭医療研修を行っている人とのdinner、ヒロでの家庭医療(クリニック・病院)の見学、Jorn A .Burns School of Medicineのスキルラボでの実習などが行われました。


アメリカでのPrimary Careをまじかで体験して感じたのは、医療制度の違いでした。


アメリカは医療先進国のなかで唯一、全国民を対象とした公的医療保障のない国です。1/4ほど(27% OECDインディケーター2009)しか公的医療保障の対象ではなく、3/4は民間の保険です。


しかも医療単価が日本と比べモノにならないくらい高い。医療費対GDP比は16%(2008年)と2位と5%近く差をつけて単独首位です。外務省Hpにもコメントがあるほどhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/n_ame/ny.html


それだけに投薬など医療行為に対しては常に効果と害を詳しく説明し、経済状況を加味しながら行っていく姿が印象的でした。


もちろん、インフォームドコンセントの重要性は日本でも高まっているが、日本はまだまだ不十分といわざるをえないとい感じました。


ほかにも、指導熱心な家庭医の先生、また地域医療に情熱を傾ける病院経営者などと話もできて、ここには書ききれないがとても勉強になりました。


日本の医療現場にいてはなかなか気付かず、海外に行って初めてわかることもやはりたくさんあるのだなと改めて感じました。


機会があれば、また海外研修にいきたい!

(右の写真はキラウエア国立講演で ぼるけーの♪)

2010年11月28日日曜日

家庭医療セミナー in 沖縄

11月27日、沖縄で家庭医療セミナーを行いました。
僕はまだ一年目であるにも関わらず、セミナーの講師として無謀にも挑戦してみました。
しかもテーマは「家庭医療とは?」


そして、開催場所は僕の初期研修病院でもある中頭病院(実際には隣の建物であるちばなクリニック)でした。僕のこの申し出に間髪いれず快く引き受けて頂きました仲田清剛院長先生、下地勉副院長先生、新里敬研修委員長先生、そしてポスター作りから宣伝、会場設営までして頂きました臨床研修センターの方々に感謝致します。ありがとうございました。

さて、そのセミナーの参加者ですが、ほとんどが中頭病院の研修医でその他スタッフの先生数人、看護師数人、学生2人、そして沖縄でプライマリ・ケア研究会を行っていらっしゃる稲福全三先生もいらして頂きました。 

やってみた感想ですが、まずスライド作りの過程で自分が考えている事をスムーズに伝える事の難しさを痛感させられました。自分がこう思ってても人には違うように伝わる、日頃の診療でも感じますが、コミュニケーションは奥が深いですね。
悩んだ甲斐もあってか、ワークショップ2つを通して僕が現時点で伝えられる内容を伝えることはできたのではないかと思います。
ただ、セミナーでの苦難はその質問コーナーにありました。
質問して頂いた内容は(とてもありがたい事に)その概念に留まらず、「具体的に家庭医療を広めていくためにどのような方法があるか」、「専門医思考 を持つ患者が多い中でその患者さんたちをどうやって家庭医療科へ移行していくのか」、「今のシステムで世界一の長寿国である日本で家庭医療が本当に必要な のか」、「 今実際に地域の診療所で継続性、家族志向、何でも診るなどプライマリケアの概念を満たしている医師と家庭医療プログラムで研修を受けた医師で何が異なるのか」などというさらに具体的で深い内容でした。僕の言葉で何とか絞り出して答えてはみたものの、抽象的というか、的を得た返答ができず、 とても答えられたとは言えない返答でした。
その状況に肩を落としつつ、しかし逆に僕の勉強すべき所や今後沖縄で家庭医療をやろうとしている僕にとって必要な事が少し見えてきた気がしたことや、沖縄の若手にも家庭医療に興味を持つ人達がいることを知ったという意味では、とても有意義なセミナーとなりました。
討論中、同行して頂いた後期研修医の先生には積極的にフォローして頂き、また葛西教授にも最後にフォローと共に僕の1年目としての立場を含め気使いのお言葉まで頂き、とても救われた気持ちでした。同行して頂いた先生方には本当に感謝、感謝です。
また、教授は不安も大きかったと思いますが、このような機会を与えて頂いた事にも感謝です。

次回も開催できるよう、精進して参ります!

また、せっかくなので少し観光もして来ました。
かなりの弾丸ツアーでしたが、僕の案内で同行した後期研修医の先生2人はある程度満足して頂けたようで、何よりです。ただ、こちらはあくまでも「ついで」ですので、悪しからず(笑)

2010年11月6日土曜日

英国・オランダ視察隊


毎年後期研修医1年生は、葛西先生の計らいで海外研修の機会を与えられます。そこで、今年は106日から13日までの8日間、イギリスとオランダに行って来たので報告したいと思います。(内容は1023日のFaMReFでもお話したものです。)
イギリスでは、リーズという町で後期研修医として頑張っている澤憲明先生のいるクリニックを訪れました。イギリスの伝統的な街並みを眺めながら診療所へ到着、そこは一見しては診療所とは思えない佇まいで、地域に溶け込んだ町の診療所という感じでした。建物の中も清潔感に溢れており、待合室も居心地の良さそうな空間でした。
診療所の医師はGPGeneral Practitioner)が8人、後期研修医が2人、初期研修医が1人という構成でした。
外来診療に関してまず感じたのは、患者さんと医師の双方がとてもリラックスしているということでした。そして大きな違いとして、日本に比べ医師が患者さんをしっかり見て話し、病歴や患者さんの気持ちを聴くことに十分時間を費やすことで、家庭医としての能力を存分に発揮できていると感じました。日本ではどうしても時間に追われカルテを見ながらの問診となり、5分診療もよくある話です。
家庭医は検査も必要なもの以外やりません(本来は当然なのですが・・・)。そもそも、診療所には尿検査キットと心電図、一般採血程度しかできず、それ以外の検査をする場合は病院へ行って頂くしかありません。それでも殆どの問題に対応可能とのことです。しかし、日本では逆にそれができてしまうために検査が増えるのかもしれません。また、外来で十分な問診ができるのは、一人15分程度を十分にかけられるという点にもあります。それは、医療がより効率化することで可能となっていると説明して頂きました。医師の能力を最大限に活かすために、看護師や事務など他の医療従事者に任せるシステムの充実に関心させられました。具体的には看護師が生活習慣病の食事・運動指導をしたり、事務が書類に関する雑用を肩代わりします。当然、医師の確認は行われます。事務員さんの多さにも驚きました。
空いた時間には、澤先生と日本の医療の将来について熱く語り合いました。政治も絡めた話にまで発展し、なかなか刺激的でとても楽しかったです。また、英国の後期研修制度に関しても多々学ぶこともありましたが、来月20日のFaMReFにその澤先生が来日するので、そこで詳しく学んで欲しいと思います。自分の学習に対してきちんとフィードバックしてくれる、大変ですが魅力的な内容でした。
見学終了後は、Clive先生とJane先生にタイ料理(イギリス料理でなく、、)を御馳走になりました。僕のたどたどしい英語にゆっくり丁寧に合わせて頂き、とても感謝感激でした。

 その後ロンドンでの観光を終え、次はユーロスターでオランダへ・・・

という所で、次回の報告をお楽しみに!!