2010年11月6日土曜日

英国・オランダ視察隊


毎年後期研修医1年生は、葛西先生の計らいで海外研修の機会を与えられます。そこで、今年は106日から13日までの8日間、イギリスとオランダに行って来たので報告したいと思います。(内容は1023日のFaMReFでもお話したものです。)
イギリスでは、リーズという町で後期研修医として頑張っている澤憲明先生のいるクリニックを訪れました。イギリスの伝統的な街並みを眺めながら診療所へ到着、そこは一見しては診療所とは思えない佇まいで、地域に溶け込んだ町の診療所という感じでした。建物の中も清潔感に溢れており、待合室も居心地の良さそうな空間でした。
診療所の医師はGPGeneral Practitioner)が8人、後期研修医が2人、初期研修医が1人という構成でした。
外来診療に関してまず感じたのは、患者さんと医師の双方がとてもリラックスしているということでした。そして大きな違いとして、日本に比べ医師が患者さんをしっかり見て話し、病歴や患者さんの気持ちを聴くことに十分時間を費やすことで、家庭医としての能力を存分に発揮できていると感じました。日本ではどうしても時間に追われカルテを見ながらの問診となり、5分診療もよくある話です。
家庭医は検査も必要なもの以外やりません(本来は当然なのですが・・・)。そもそも、診療所には尿検査キットと心電図、一般採血程度しかできず、それ以外の検査をする場合は病院へ行って頂くしかありません。それでも殆どの問題に対応可能とのことです。しかし、日本では逆にそれができてしまうために検査が増えるのかもしれません。また、外来で十分な問診ができるのは、一人15分程度を十分にかけられるという点にもあります。それは、医療がより効率化することで可能となっていると説明して頂きました。医師の能力を最大限に活かすために、看護師や事務など他の医療従事者に任せるシステムの充実に関心させられました。具体的には看護師が生活習慣病の食事・運動指導をしたり、事務が書類に関する雑用を肩代わりします。当然、医師の確認は行われます。事務員さんの多さにも驚きました。
空いた時間には、澤先生と日本の医療の将来について熱く語り合いました。政治も絡めた話にまで発展し、なかなか刺激的でとても楽しかったです。また、英国の後期研修制度に関しても多々学ぶこともありましたが、来月20日のFaMReFにその澤先生が来日するので、そこで詳しく学んで欲しいと思います。自分の学習に対してきちんとフィードバックしてくれる、大変ですが魅力的な内容でした。
見学終了後は、Clive先生とJane先生にタイ料理(イギリス料理でなく、、)を御馳走になりました。僕のたどたどしい英語にゆっくり丁寧に合わせて頂き、とても感謝感激でした。

 その後ロンドンでの観光を終え、次はユーロスターでオランダへ・・・

という所で、次回の報告をお楽しみに!!

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